2012年1月23日月曜日

ビートルたちのソロ・アルバム

 今日は、ビートルズ解散後のメンバーそれぞれのソロ・アルバムのお話。

この間、ドキュメンタリー映像『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』が発売されたのを機に、ジョージ・ハリソンの話題があちこちから聞こえてきた。この映像は観ていないんだけれど、それがきっかけで、何となくこのタイトルのもとになった、ジョージの同題名のソロ・アルバムを引っ張り出して聴いてみた。それから結局他のジョージのソロ・アルバムも久しぶりに一通り聴いてしまった。
私の持っているのは、ファーストの『ワンダー・ウォール』から6枚目の『エクストラ・テクスチャー』までと、順番を飛ばして8枚目の『ジョージ・ハリソン』と11枚目の『クラウド・ナイン』。『リヴィング・イン・ザ…』は、4thアルバムにあたる。
結局、3枚目の『オール・シングス・マスト・パス』が、やはりダントツによくて、あとはどれも今ひとつだった。この感想は結局昔から変わっていなかった。
『オール・シングス・マスト・パス』は、レコード3枚組だった。それが豪華な箱に入っていて、そのアートワークもすてきだった。高くてなかなか買えなかったが、やっと手に入れたときはうれしかった。そして何度も繰り返し聴いた。
声域の狭いジョージの声を活かしたゆるやかで優しいメロディーと、フィル・スペクターのサウンド・プロダクションが化学反応を起こしてマジックがうまれていた。
しかしそのマジックは、結局このアルバム1回きりのことだった。期待して聴いたけど、あとのアルバムは、まあどれも「ふつう」と言うしかない。本秀康さんすいません。
先年、『オール・シングス…』のボックス仕様のCDが発売されたが、レコードの忠実な再現ではなかった。箱の写真がカラーになっていたり、レコード袋が全然別物だったりで、がっかりさせられた。それまで持っていたプラ・ケース版はもうお役ごめんかと思っていたが、そのモノクロのジャケット写真ゆえにやっぱり捨てられない。
忠実にLP時のものを再現した仕様のCD版(もちろんCDでも3枚組)を出してほしい。1万円(ひぇー大金だ)くらい出してもいいな。
 ジョージのアルバムを、強いてもう一枚挙げるとすれば、『コンサート・フォー・バングラデシュ』だな、変則だけど。

 ジョン・レノンのソロ・アルバムは、一応全部持っている(ヨーコとの最初の3枚は除く)。何しろビートルズ・ファンなので。
でも結局『ジョンの魂』だけが、飛び抜けて良い、というか別格。『ジョンの魂』は、ジョンのというより、ロックの歴史に残る名盤だ。べつに私が言わなくても、もうすでにそういうことになっている。いい曲が入っているとか、演奏がいいとか、そういうレベルの話ではなくて、シンプルに研ぎ澄まされたストイックな「裸の音楽衝動」がそこにはある。
ちなみに私の考える「裸の音楽衝動」ベスト3は、このアルバムと、プリンスの『パレード』と、パブリック・イメージ・リミテッドの『フラワーズ・オブ・ロマンス』だ。わかってもらえるかな。
とにかく残りのジョンのソロ・アルバムは、やっぱりまあ「ふつう」と言うしかない。名曲といわれる「イマジン」だって、歌詞は素晴らしいかもしれないけど、メロディーは凡庸でしょ。
強いてもう一枚挙げるなら『ロックン・ロール』かな。結局ジョン・レノンに関しては、ビートルズ時代の曲のほうが私は好きだな。

ポール・マッカートニーのソロ・アルバムは、1枚目の『マッカートニー』から8枚目の『ロンドン・タウン』まで持っている。ソロ名義からウイングスになって、その全盛期の終わりくらいまで。
ポールは優れたソングライターで、私もその意味でかなり好きな人だ。しかし、いい曲は作れても、いいアルバムが作れるとは限らない。ポールのアルバムは、どれもいい曲もあれば、だめな曲もある。
そんなポールのソロの唯一の例外にして、最高傑作は、2枚目の『ラム』でしょう。どの曲もいいし、アルバム全体の構成もバランスもいい。これも、ずいぶん聴いた。高校一年の私の頭の中では、いつもこのアルバムの「トゥー・メニー・ピープル」や「ラム・オン」や「ディア・ボーイ」や「ハート・オブ・ザ・カントリー」がぐるぐるまわっていたものだ。
強いてもう1枚挙げるなら『バンド・オン・ザ・ラン』かな。ポールも今はずいぶん遠くに行ってしまった。

リンゴ・スターのソロ・アルバムも一応何枚かは持っている。ビートルズ・ファンなので。人柄のよさゆえ、アルバムには、豪華ゲストが参加している。でもほとんど聴かない。まあこの人はアルバムの人じゃないよね。
しかし、あまりほめている人を知らないけど、リンゴのドラマーとしてのセンスは特筆すべきだと私は思っている。ビートルズ時代の曲においてもそのプレイは光っていたが、とくにジョンのソロ『ジョンの魂』におけるドラミングは素晴らしい。

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