2012年2月7日火曜日

原発はいらない

今現在、日本国内で稼動している原子力発電所が3基のみとなった。全部で五十数基ある日本の原発のうち、たった3基しか動いていないのだ。
他は定期検査などにより停止して、そのまま休止している。現在稼動している3基も、今年の4月末までに停止を迎える予定とのこと。そうなれば、国内のすべての原発が停止することになる。
そのため電力供給が綱渡り状態で、電力会社の間で融通し合ったり、使用者に節電を呼びかけているらしい。

しかし、別段、計画停電をしている話までは聞かない。
電力使用の少ない時期ならともかく、このところ厳寒の日々が続いていて、今は電力使用の冬のピーク時期にあたるはずだ。それでも何とかなっているわけだ。
ということはつまり、普通に考えたら、日本は原発なしでも何とかやっていけるということではないのか。

今まで言われてきた「日本の電力供給はかなりの割合で原子力発電に依存しているから、どうしても原発なしでは立ち行かない」というのは、つまり大ウソではないですか。
もうちょっと節電の工夫をし、省エネ技術の開発を進め、その一方で他エネルギーによる発電や自然エネルギー発電にシフトすれば、電力の安定供給は十分可能に思える。

昨年の福島第一原発の事故で、故郷喪失とか避難とか大変な被害を受けた。当時発表されなかった政府の「最悪のシナリオ」を聞くと本当にぞっとする。そしてまだ事故は終わっていない(ドジョウさんは「終息」したと言ったけど)。不安はまだまだ続いている。
もうみんなこりごりしているものと思っていたら、一方で日本経済のためには当面は原子力発電に頼らざるを得ない、などという言い草がまかり通っていて驚く。まったく、こりない人たちだなあ。
安全と経済は、どっちを優先するかではなく、全然次元の違う話でしょう。まず安全があっての経済じゃないの。家が火事になって足元で火が燃えているのに、明日の朝飯は何にしようと考えているようなもの。
原発は即停止して廃止。これを前提にした上で、じゃあどうやって電力を確保しようかという話ではないのか。冒頭に書いたように、とりあえず何もしなくても、何とか電力がまかなえているのは本当に幸いだ。

にもかかわらず、再稼動だの、原発の寿命は40年だの、20年の延長もありえるだの、政府は相変わらず原発路線から転換しようとはしない。

事故を起こした東電福島第一原発の立地している大熊町双葉町に対するバッシングが激しい。
さんざん交付金をもらっていい思いをしてきたくせに、事故で周囲の自治体には迷惑をかけ、しかも国や東電のせいにしている、というような言われ方だ。そう言いたくなる気持ちはよくわかる。
先日の国会事故調査委員会で、双葉町長は「批判されているように原発の交付金で確かに町は潤った。いろいろ整備もした。しかし、今はそれらをすべて失ってしまったのだ」というようなことを言っていた。でもやっぱり、これは泣き言にしか聴こえない。
原発推進派だったはずの町民たちも、東電や国を責めている。絶対「安全」と言っていたのに、ということらしい。
しかし、「安全」なものを設置しただけで、あんなに莫大な金がもらえるはずがない。そんなに「安全」ならそもそも、東京電力の管外ではなく(柏崎刈羽原発もそう)、東京や首都圏に設置しているはず。
ちょっと考えれば、判りそうなものだけど、それが判らなくなってしまったのは金に目がくらんだからだろう。町の財政収入の半分近くが、原発関連のお金(電源立地交付金や固定資産税など)だったという。これも普通に考えれば、かなり異常。

しかしまあそれも今だから言えること。電力会社や国が「安全」と言うのだから信じたくもなる。
だが今回の事故で、原発が絶対安全ではないということがよくわかった。だから、これから再稼動を許可した自治体は、事が起これば被害者だとはもう言えない。

福島の事故後いち早く再稼動を認めた自治体は、玄海原発が立地する九州の玄海町だった。その後、ストレス・テストの導入など国の側のごたごたがあって、結局、再稼動は中止になった。
しかし、よくこの町は再稼動を許可したなと思っていた。そうしたら、その後の報道で、この町の町長の弟の経営する土建屋が、九州電力から56億円もの工事を受注していたとの事。やっぱりね、と思った。これって、限りなくワイロに近い金のやり取りではないの。
全国の原発立地自治体の皆さん、くれぐれも目先のお金で故郷を売らないでくださいね。

私はもともと原発が嫌いだった。事故も心配だけれど、それより何より、運転すると放射性廃棄物ができてしまうのがいやだ。これを無害化することは今の技術では出来ないのだ。
最終的な処理方法は、「地層処分」といって、ガラスで固めて地中深く埋めることだという。
現在のところ反対があったりして、この「処分」は行われに至っていないのだが、次々に増えていく核廃棄物が、埋められるのを待っている状態だという。
こんなのその場しのぎではないですか。地震や事故で、地中で放射能が漏れ出したらどうするのだろう。以前ラジオで、タレントを使いこの「地層処分」の安全性をPRする番組をやっていたが、福島原発の事故後ぱったりやらなくなった。

本来なら、使用済み核燃料を無害化する方法が確立しなければ、原発は実用化してはいけなかったのだ。それを、見切り発車してしまったのが、今の原発だ。
原発は地球を汚す。さかんに言われているCO2によるオゾン層の破壊も問題だが、同様に原発の放射性廃棄物による地球の汚染も大問題だ。自分の子供やその子供たちのために、きれいな地球を残したい。だから原発はいらない。

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