2012年8月7日火曜日

「つけ麺 坊主」訪問 「極辛麻婆」月間その2

「極辛麻婆つけめん」の巻

前回訪問から中三日おいて「つけ麺 坊主」訪問。
「極辛」メニュー解禁月間である8月に入って二度目の訪問だ。年に二回しかない機会なので、こちらも気合が入る。
少し雲がかかっているがむしむしと湿度が高いこの日、「極辛」メニューで大汗をかいてすっきりしようとお店に向った。前回訪問時に、次の休店日を確認しておいたので、今日は間違いなくやっているはず。

平日午前11時15分入店。開店直後というのに、先客がもう5人もいる。
券売機に向う。前回は「極辛麻婆らーめん」だった。もう一度食べたい気持もあったのだが、ちょっと迷ってもうひとつの「極辛」メニューである「極辛麻婆つけめん」のボタンを押す。そして私なりのこだわりで、「麻婆大盛」(100円)のボタンも。さらにいつもどおり「ビール」と「白めし」。
食券を持って今回はカウンターの中ほどへ。「麺は大盛り、めしは普通盛りで」とご主人にお願いする。つまり「極辛麻婆つけめん」は、プラス麻婆大盛り、麺大盛りということになる。

ビール到着。さっそくグビリとやって一息つく。厨房は先客の注文を作り始めたばかりだ。先客の麺が茹で上がるまで、次の私の分の麺は投入しない。つまり後追いで並行して茹でるということをしない。こだわりなのか、たまたま段取りの都合なのかはわからないが、たぶんこだわりのような気がする。で、いつもよりちょっと時間がかかりそうだったが、全然気にならない。

店内の先客の中に二入連れのオヤジがいた。この内の一人が食べ終わった後、券売機のところに行き、追加で何かのボタンを押している。それをご主人に渡して頼んだのは、「味玉」(つまり味つき玉子、煮玉子)だった。食後に単品で玉子を頼む人をはじめて見た。
小椀に入った「味玉」を受け取ると、二人は箸でそれを二つに割って何やら吟味している様子。相当なマニアか、あるいはラーメン・ライターまたはブロガーなのかもしれない。この店のファンとしては高評価が下されることを祈るばかりだ。
ちなみにこのお店の「味玉」は、玉子を漬け込む汁にも唐辛子が入っている。徹底しているのだ。

やはり前回同様、特製メニューはいつもより段取りが多いようだったが、無事「極辛麻婆つけめん」のつけ汁登場。その姿は、基本的に前回食べたに「極辛麻婆らーめん」をぎゅっと縮小したものだ。ただ、大盛りでお願いしたので、この店の通常のつけ麺のつけ汁の器よりも一回り大きい器に入っている。これがうれしい。

盛大に器の中央にかかっている魚粉の山。唐辛子と見紛うほどに赤いと思っていたら、これにも唐辛子がミックスしてあることが今回わかった。トッピングの周囲にわずかに見えるスープの表面には厚く油の層が張っている。ラー油と脂だ。そしてその下には「極」赤のスープが潜んでいる。
ゆっくりトッピングを崩しながら拡げ、その下の方の具材をほぐす。豚肉、もやし、ニラ、メンマといった顔ぶれは「極辛麻婆らーめん」と同じ。柚子の風味もかすかに。くわえて大盛りにしただけあって、底のさらに底の方まで麻婆豆腐がごろごろしている。開店直後のせいか豆腐の塊が大きい。これも何だかうれしい。

一般的な話だが、つけ麺は、同等のラーメンより具材やトッピングが少ないのが私にはさびしく感じられる。そこで、このお店で麻婆系のメニューを頼む場合は、「麻婆大盛」にすることにしている。こうすると、つけ麺のもう一つの不満点、すなわち汁が食べているうちにどんどん冷めてしまうという問題も、多少ではあるが改善できる。

つづいて、麺と「白めし」到着。つけ汁の器の表面にいったん拡げたトッピングと具材を箸で少し寄せてスープの池を作り、すくった麺をここにくぐらせてから食べ始める。
この麺が旨い。いい具合のアルデンテだ。いったん冷水でしめたこの歯応えは、つけ麺でないと味わえない。いつもここで頼んでいるラーメン系のメニューではこうはいかないのだ。つけ麺でも「あつもり」にすると、やはりこの歯応えはなくなってしまう(なので、私は「あつもり)にはしない)。

スープの辛さはそれほどでもない。するすると麺を口に運ぶ。ときどき、麺と一緒に具材も食べる。ただしご飯は食べない。これはラーメンのときとは別の食べ方があるのだ。
しかし、中盤過ぎたあたりでじわじわと辛さが効いてきた。この感じは「極辛麻婆らーめん」のときと同じだ。辛さに関しては前回以上かもしれない。

同等の辛さのラーメンとつけ麺は、辛さの順位ではつけ麺の方が上位にくる。つけ麺のつけ汁の方がラーメンのスープより濃縮してあるからだ。このお店のメニューで言うと「特製つけ麺」が辛さランキング第2位で、同じ内容の「特製らーめん」が第3位なのはこの理由による。当然「極辛麻婆つけめん」も「極辛麻婆らーめん」より辛さでは上に位置することになるはずだ。
しかし、私の実感ではむしろラーメンのほうがつけ麺より辛い。つけ麺の場合、スープは麺に絡まる少しの量しか口に入らないし、しかも麺が冷たいのですぐ冷めてしまう。これに対し、ラーメンのスープはレンゲですくってそれなりの量を一度に口に入れるし、しかもいつまでも熱々だからだ。

しかしこの「極辛麻婆つけめん」の汁は、がんがん口の中を攻撃してくる。鼻水が止まらない。麺が残り少なくなってきたところで、とうとう大事にとっておいたご飯と交互に食べ始めた。ご飯が口直しになっておいしい。これで少し持ち直し、やがて麺と具材ほとんど完食。
さて、ここから次のお楽しみが始まるのだ。レンゲでご飯を少しずつすくっては、残ったスープにちょっとだけ浸して食べる。ちょうど、スープカレーを食べるときの要領だ。こうするとスープの辛さと旨さをそのまま味わえる。かなり辛いがご飯の甘さと交じり合って、麺のときとはまた違う旨さを堪能できる。しかし、麺と一緒に早めにご飯を食べ始めてしまったせいで、早々にご飯も完食してしまう。

そして、いよいよ残った汁をカウンター上のポットに入っているガラスープでスープ割りだ。ここは、辛いけれどあまり薄め過ぎないように少しだけ入れる。汗を拭き拭き、鼻水をかみながら、少しずつ飲む。一口飲んでは立ち止まり、立ち止まっては一口飲む。体内がすっきりと浄化され気分はちょっとだけハイになって、やがて完食。口の中が焼けるように熱い。汗と鼻水が収まるのにしばらく時間がかかる。
今回もガツンとくる辛さだった。大満足アンド大満腹。
気がつくと外はいつの間にか雨。ごちそうさまでした。店を出ると、もやっとした外気に包まれたが、火照った体には雨が気持ちいい。辛さの余韻を味わいながら雨の街を歩いていった。今日も胃にはちょっとばかり効いたけど。

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