2012年11月6日火曜日

公園日記 「笠松運動公園」

11月の初めの秋晴れの一日、笠松運動公園に散歩に出かけた。
この公園は名前に「運動」とつくことからもわかるように、各種のスポーツ施設が集合しているところだ。陸上競技場や体育館やテニスコートや野球場、その他いろいろある。
ここは今から38年前の1974年、茨城県で国体が開かれたときにそのメイン会場として作られたものだ。その後、2002年に全国高校総体が開かれた際に、さらに拡張して屋内プール(兼アイススケート場)も作られている。

 さすがに県営の施設だけあってかなり広い。面積は約33ヘクタール。つい比較したくなるけど、やっぱり東京ディズニーランドには負ける。ディズニーランドのだいたい五分の三の広さ。
 茨城県のひたちなか市、那珂市、那珂郡東海村にまたがって位置している。

基本的にはスポーツ施設なのだが、敷地内には緑も多く、小さいながらいくつかの広場や公園が設けてあり楽しい散歩ができる。
園内には四つの「ヘルス・ロード」」というのが設定してある。これは、散歩というよりウォーキングのコースだ。距離は、Aコースが2km、Bコースが1.3km、Cコースが0.8km、それと周回コースが4kmといった具合。
それぞれのコースに設定された路面に線が引いてあり、これを辿って歩いていくわけだ。わりやすいし、途中ところどころにスタート地点からの距離が表示されている。けっこうこの線に沿って歩いている人を見かける。

私はあんまりこの線にはこだわらないで、気ままに歩いている。この日もいきなりコースを逆行。陸上競技場の前からまず補助競技場の裏手に歩いていく。今日は何かの催しがあるらしく、中学生の姿が補助競技場の中に見える。
公園の敷地の端を体育館の裏手の方へ進んでいく。敷地の周辺付近は、道の両脇に並木のように木が植えてあって、緑の中を歩いていく感じがなかなか気持ちよい。とくに体育館の裏手は小さな林があって静かだ。
その先のテニスコートの裏手には、「児童スポーツ広場」という小さな野原があって風景がちょっとだけ開ける。この変化もなかなかよい。

テニスコートをぐるりと回ると地下道の入り口がある。
この公園は、一般道を挟んで東西に二つのエリアに分かれている。この地下道はそれを結ぶ通路なのだ。これを通って東側のエリアに入る。
こちら側には野球場が2面と「水の広場」というのがある。
ここまで歩いてきた西側はわりと立派な施設が多いのだが、こちらの野球場は、それと対照的にごく素朴な仕様だ。誰もいないいがらんとした野球場は、のどかで何となく間が抜けている。
その周囲をぐるっと散歩する。この辺は東海村で敷地の外ものどかな景色が続いている。

「水の広場」は、水が流れる浅いプールのような池を中心にした子供向けの広場。しかし今、水はない。震災の影響なのだろう。プールの周囲のタイルのように規則正しく敷かれた敷石の間からは、規則正しく雑草が伸びている。
あるはずのところに水がなく、雑草が盛大にはびこっている様子は、打ち捨てられたような感じで、ちょっと寂しい。それでも、いつも幼児を連れた家族の姿が何組か見られる。

地下道を通ってもとのエリアに戻る。
テニスコートの向かいにある木立の中の「子供の広場」に入っていく。お決まりの遊具の他に、県産品なのだろうか、大きな石がごろごろ転がっていたりする。
ここを抜けるとその先が「日本庭園」。木立の中になかなか立派な池があって、その周囲にあまり手入れはされていないが、たしかに庭園風に回遊路が設けてある。池を渡る飛び石があったり、木道があったり、ほとりには水面を眺めるベンチ代わりの石が置かれている。
この池には鯉が100匹いるとのことだが、本当なのだろうか。
ここは、この公園の真空地帯だ。歩いている人に出会ったことがない。静かでいい場所だ。遠くから競技場の中学生たちの声援の声が聞こえてくる。

「日本庭園」の木立の間を抜けると、ぱあっと視界が開ける。公園の南側のエリアが広がっている。
そこへ向う前に駐車場の横を通って「中央広場」をぐるっと巡ってみる。文字通りこの公園の中央にあるけっこうな広さの公園なのだが、今はまるで廃墟のようだ。池の水は涸れ、中央の大きな噴水は止まっている。周囲の敷石はところどころはがれていたりする。
体育館やプールが震災の被害を受け、未だに使用できない状態(体育館は今月再開予定)だ。こんなところまで手が回らないということなのだろう。

そこから隣の「花壇広場」抜けて、投てき場のわきを南のエリアに向って歩いていく。明るく開けた草原のような風景だ。なだらかな草地の谷があってその底には葦の生えた池がある。その向こうの高台の上に屋内プールの近代的で巨大な建物がそびえている。
ここまで樹木の中を歩いてきたので、この明るさと開放感をよけいに強く感じる。このコントラストが私は気に入っている。

このエリアの西側、駐車場に隣接するところは「自由広場」というかなりの広さのただの草原がある。けっこうな背丈の草が一面をおおい、一部には湿地のようなところもある。「広場」といっているものの、何かに使っているとは思えないワイルドさだ。
ここをがさがさと歩いて横切るのが気持いい。まあけっこう靴は汚れるが…。もちろん誰も他に歩いている人はいない。

 草原から出てメインの陸上競技場のわきに戻ってくる。
競技場の前の敷地のはずれに変電施設がある。そのわきに「県の木園」(園内マップでは「県木園」)というのがある。これがじつにナゾの一画だ。入り口に看板があり、それらしく道があるのだが、歩いているうちに道はなくなりがさ藪の中に紛れ込んでしまう。結局くもの巣だらけになって入り口に引き返すことになる。いったいあれは、どういう場所なのだろう。

とにかくこうして園内を一巡りして元のところに戻った。約1時間の気持のよい散歩だった。樹木あり草原あり起伏ありと歩いていくと景色に変化があって、そこがなかなか楽しい散歩コースだ。

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