2012年9月2日日曜日

「つけ麺 坊主」訪問 「極辛麻婆」月間その5

「極辛麻婆らーめん」の三杯目の巻

 8月もみそかを残すのみとなった月末の一日、またまた「つけ麺 坊主」訪問とあいなった。
じつは前回訪問をもって8月中は終了と思っていたのだ。しかし、たまたま用事があって水戸に出てきたので、しょうこりもなくまた寄ってみることにしたのだった。8月になってこれで5回目の訪問。

店の前まで来ると、前回同様この暑さなのに自動ドアは開放されたまま。いいぞ、こうでなくちゃ。今日もいい大汗がかけそうだ。
平日の午後12時42分入店。先客はなんとたったの一人。
私はこの店に来る場合、12時から1時までの間はなるべく避けるようにしている。当然いちばん混み合う時間だからだ。今日も12時20分くらいに用件は終了していたが、何とか時間をつぶしていたのだ。そろそろいいかなと思って来てみたのだったが、こんなことならすぐ来ればよかった。
さて今日の「極辛」メニューは、8月最後のシメということで「極辛麻婆らーめん」にする。ただし、前々回、このメニューを頼んで完食できないという「敗北」の体験があるので、今回は大事をとって麺普通盛で「白めし」はなしにする。もちろん「ビール」はありだけど。
席は入り口近くのいちばん端にする。

店が思いのほか空いていることにちょっと驚いたのだったが、心配する必要はなかった。私の後に五人連れのサラリーマンの一団が来店。さらに続いてその後に、やはり五人連れの高校生グループが入ってきて、たちまち店内はいっぱいになった。
高校生のグループの中の一人が「特製つけめん」を頼んで一同に感心されていた。他の人はみなそれよりずっと辛さの少ないメニューを頼んだらしい。
これが普通なのだろうな。私の頼んだ「極辛麻婆」は、「特製」の数倍は辛いはずだ。彼らから見たらとんでもないシロモノだろう。でもこの辛さと一体だからこそ美味しさは格別なのだ。自分は辛さに耐性があってつくづく幸せだったと思う。

 先客ひとりで、注文待ち状態だったので、私の頼んだ」極辛麻婆らーめん」は、手間がかかるとはいえすぐに完成して到着。あわててビールを空にする。
相変わらずいい景色だ。どんぶりの中央に具材とトッピングの山が出来ている。しかし、スープがなみなみとしているので、この山を崩してスープの水位がこれ以上上昇すると、どんぶりから溢れそう。
とりあえず山には手をつけず、レンゲでスープをすくって飲む。二口、三口…。やっぱり旨い。甘くて旨い。私の定番メニュー「特製らーめん」のスープと同じ。シンプルだけど奥深い旨さだ。で、辛いのは辛いけど、そんなにものすごいほどではない。

スープの水面には、麻婆豆腐の餡が流れ込んでたまっている部分がある。そのあたりをレンゲでそっとすくって飲んでみる。一応色は赤いがスープ本体よりやや薄く、味もその分辛さがマイルド。辛さの口直しにちょうど良いかも。
このあたりで、いつもならご飯を一口いきたいところだが、今回は頼んでいないので我慢だ。

いよいよ具材と麺に取りかかる。もやしと豚肉と豆腐と麺。このサイクルがたちまち加速し始める。ふつうだと、この回転が際限なく早くなっていき、無我の境地に突入していくわけだ。
しかしこの場合は辛さが口の中を刺激し始め、じわじわと辛さがヒート・アップしていく。こうなると、スープや麺が口の中に入ってくると、その熱さで辛さの刺激が口中で爆発。しばらく立ち往生を余儀なくされることになる。
前回のつけ麺のときは、麻婆豆腐をかじったとき以外は、こういうことは起こらない。だからどんどん食べられる。これが、同じ辛さでもラーメンとつけ麺の大きな違いだということにあらためて気がついた。

食べていると辛さを体全体で受け止めている感じ。そのぶん、全身から汗が噴出する。前回のつけ麺のときとは大違いだ。一口か二口食べるごとに、頭や顔面の汗をハンカチで拭わないと、汗が顔を伝ってあごからカウンター上に滴り落ちてしまう。
気がつくとハンカチが汗でグチョグチョだ。
 汗を拭きながらゆっくりゆっくりと食べた。
今日はご飯なしだったが、けっこうお腹が満たされてきている。どうやら辛さと満腹感は関係があるのかもしれない。
前々回、「極辛麻婆らーめん」と「白めし」を完食できなかった。自分の感じではけっして辛さのせいではなく、満腹のせいだった。満腹でそれ以上、胃に入らなくなってしまったのだ。しかし、あの満腹感は結局、辛さのせいだったのかもしれない。辛さの刺激で、胃が収縮するのかもしれない。

そして、今回は無事余裕でスープまで完食。量的にも十分満足できた。汗まみれのまま辛さと旨さを堪能したという深い満足感の余韻に浸る。
汗が引き鼻水がおさまるまで、しばらく時間がかかる。ああおいしかった。
ご主人が、「極辛」完食記念に、まっ赤な唐辛子色で店の名入りのタオルを手渡してくれる。ごちそうさま。これが、私にとっての「金メダル」。

炎天下の街に出る。これで私の夏は終わった。


思えば8月の一ヶ月の間に5回も通ってしまったことになる。通常の私の訪問ペースでいうと半年分だ。でもそれだけ「極辛麻婆」にはやみつきにさせる魅力があった。
この間に「極辛麻婆らーめん」を3杯、「極辛麻婆つけめん」を2杯食べた。一度だけらーめんのスープを少し残してしまったが、あとはスープまで完食。暑い夏に大汗流して食べた「極辛」メニューは格別においしかった。
気が早いが、今度は次回「極辛」解禁となる来年の2月が待ちどおしい。

ところで、最近になって気がついたのだが、「坊主」さんのメニューに「特製麻婆らーめん」というのがあるのを見つけた。これまで、レギュラー・メニューでいちばん辛いラーメンは「特製らーめん」だったわけだが、理屈から考えると、こちらの方がさらに辛さが上ということになる。
次回はぜひこれを食べてみることにしよう。もっとも、「極辛麻婆らーめん」に比べたら、何ほどのものでもないわけだが…。

0 件のコメント:

コメントを投稿