2014年6月7日土曜日

レッド・ツェッペリン初期3作の<デラックス・エディション>


というわけで(?)、予約していたレッド・ツェッペリンのリマスター盤が到着した。私が発注したのは、リイシュー第1弾、『Ⅰ』、『Ⅱ』、『Ⅲ』のそれぞれデラックス・エディション。
発売を知って、少し迷った末、結局3枚とも発注、やはり発売日が近づくにつれて、ちょっとワクワクしていた。
いずれ『レコード・コレクターズ』誌などでも詳細な解説が載ると思われるけれど、とりあえず私なりのレポートを。

なお、私の場合、リマスター盤の音質そのものについてはパスです(笑)。たいしたシステムで聴いているわけではないので、違いはわかりません。


<アート・ワークについて>

ジャケットは紙製の3面開きスリーブ。ビートルズのリマスター盤のジャケットと同じようなつくりだ。これを広げた両翼に、リマスターしたオリジナル盤と、コンパニオン・ディスク(ボーナス・ディスクのこと)が収納されている。ディスクの出し入れは、上から。
開いたジャケットの内側3面、外側3面、計6面には、オリジナル・ジャケットの内外のデザインと、メンバーのポートレイトや、ライヴの写真などがあしらわれている。たたんだときの裏面に当たる面は、オリジナル・ジャケットの絵柄をもとにアレンジした新しいアート・ワークになっている。
『Ⅲ』の窓空き回転式のジャケットは、そのまま再現されている。なお、例の回転の仕掛けがあるので、この盤だけ、ディスクは中央と右翼に収納。
全体になかなか良い仕上がりだ。新規のアート・ワークも悪くない。これなら手元にすでに紙ジャケがあっても、一応、持っていたいなと思わせる。

なお外装の透明ポリ袋の裏面に、曲目等を表示した透明のシールが貼ってある。デザイン的には気が利いているのだが、このポリ袋はすぐにだめになりそうなので、そのときは一緒に捨ててしまうしかないのだろうか。もったいない。


<ライナーについて>

付属しているのは、ミニ写真集のようなオリジナルのブックレットと、日本版ブックレットの2冊。写真はかなり珍しいものが含まれているようだ。
日本版ブックレットのライナーは、3作とも伊藤政則と渋谷陽一の御大(おんたい)お二人。伊藤のライナーは、例によって地の文章は薄い内容だが、何箇所か引用しているジミー・ペイジ自身の言葉は興味深かった。
渋谷のライナーは、以前のCDに書いたものの再録が主で新味なし。せっかく、ペイジが力を入れているリイシュー・プロジェクトなのだから、新規の書き下ろしというわけにはいかなかったのだろうか。


<コンパニオン・ディスクの内容について>

そして何より肝心なのは、コンパニオン・ディスクの内容だ。
『Ⅰ』は、19691010日、パリのオランピア劇場でのライヴ音源8曲が収められている。私が今回のリマスター盤に手を出したのは、ひとえにこの音源が聴きたかったからだ。
聴いてみると、これは本当に素晴らしい。この内容については、あらためて別の記事でコメントしてみようと思っている。

そして、『Ⅱ』と『Ⅲ』のコンパニオン・ディスクは、主にオリジナル曲のラフ・ミックスとか、別ミックスとか、ヴォーカル抜きのトラックなどだ。まあ、ブートレグやデラックス・エディションによくある、レア・トラックの世界。オリジナルとそんなに違うわけではないし、もちろんオリジナルに匹敵するような出来のものがあるはずもない。あくまで参考資料で、何度も聴くようなものではない。

期待の未発表曲は、『Ⅱ』では、「ララ(La La)」、『Ⅲ』では「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ/トラブル・イン・マインド(Key To The Highway/Trouble In Mind)」の各1曲のみ。
『Ⅲ』の曲目に「バスルーム・サウンド」というのがあるが、これはに「アウト・オン・ザ・タイルズ」のヴォーカル抜きのトラックだった。何でこのタイトルなの。
またこれはもう有名だが「ジェニングス・ファーム・ブルース」は、「ブロン・イ・アー・ストンプ(スノウドニアの小屋)」のエレキ版で、ここに収められているのはヴォーカルなしのトラック。

未発表曲の「ララ」は、未完成の中途半端なもので、どうこう言うほどのものではない。
もうひとつの「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ/トラブル・イン・マインド」、これは素晴らしい。アコースティック・ギターのみのシンプルな伴奏で歌われるブルースだ。プラントのブルース・ハープも聴ける。
せつせつとしたプラントのヴォーカルには、「ハット・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー」で聴ける震えるようなエフェクトの加工が施されていて、不思議な味わいを生んでいる。
結局、今回のスタジオ・レア音源の中で、掘り出しものと言えるのは、唯一この曲だけだった。

ブックレットの引用によると、ペイジは「スタジオ盤とコンパニオン・ディスクを聴けば、(中略)レッド・ツェッペリンのレコーディングの世界を垣間見ることが出来る」と語り、さらに、今回のデラックス・エディションは「我々のレコーディングの過程をとてもよく表している作品だ」とも言っている。なるほどそうだったのか。
私はツェッペリンのファンだけれども、べつに彼らのレコーディングの過程にまでは興味はない。出来上がったものだけでとりあえず十分だ。だから、このペイジの言葉を読んで、正直、シマッタと思った。これは、私には関係ないシロモノだったのだ。だから値段の設定も割安だったのね。
思い返せば、これまで、何度も何度も<デラックス・エディション>というレア・トラックものを買っては、このシマッタを繰り返してきたのだった。それで、もう手を出すまいと誓ったはずだったのに…。

『Ⅰ』のコンパニオン・ディスクにライヴ音源が収録されたのは、シリーズの中では例外だったことになる。
これは『Ⅰ』には、別テイクがないという事情もあったらしい。
『Ⅰ』のオリジナルの録音は、レコード会社との契約前で、メンバーが自前でスタジオを借りたため、約30時間という短時間で済ませたという。そのため時間の余裕がなく、別テイクがまったく存在していないという。
ペイジが語るように、レコーディングの過程を示すというこのシリーズの趣旨からいって、今後ライヴ音源が収録される可能性はなさそうだ。中途半端なスタジオ・レア音源には興味はない。なので、リイシュー第2弾以降には、手を出さないことにしよう。とびきりの未発表曲でもあれば話はべつなんだけど…、まあ期待できないだろうな。


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