2014年4月26日土曜日

ボブ・ディラン 『激しい雨』(紙ジャケ)


というわけで(417日の記事参照)、発注していたボブ・ディランの『激しい雨』の紙ジャケ盤が到着。

これで、私のボブ・ディラン主要アルバム紙ジャケコレクションが、コンプリートになった。めでたし、めでたし。
ちなみに私にとっての「ディランの主要アルバム」とは、1962年のデヴュー・アルバムから、76年の『激しい雨』までの全アルバムから、例の三バカ・アルバムを除いたものだ。
もうちょっと詳しく説明すると、全アルバムとは、デヴュー・アルバム『ボブ・ディラン』(1962年)から『激しい雨』(1976年)までの全スタジオ・アルバム(17枚)と、ライヴ・アルバム(2枚)、そしてベスト・アルバム(『グレーテスト・ヒット』と『同vol.Ⅱ』の2枚)の計21枚。ここから除く三バカ・アルバムとは、『セルフ・ポートレイト』と『ビリー・ザ・キッド』と『ディラン』の3枚(ゴメンな)のこと。これを除くと合計18枚となる。ごく順当でしょ。


ところで、今回の紙ジャケ化のウリのひとつは、新規のライナーがついていることだった。
他のアルバムは知らないが、『激しい雨』のパンフには、クリントン・ヘイリンという人の解説と、菅野ヘッケルの補足が、いずれも書き下ろしで掲載されている。これに加えて76年のアルバム発表当時に書かれた菅野ヘッケルの解説も収録されている。
菅野の補足は、収録曲に関連するローリング・サンダー・レヴューのデータなどが中心で、まさにかゆいところに手が届くような内容。
ところが、クリントン・ヘイリンの本論がひどい。内容がピントはずれな感じなのだが、とにかくそれ以前に翻訳がひど過ぎ。日本語として成立していないので、何を言っているのかよくわからない。翻訳者名が明記されていないけど、翻訳ソフトでも使ったのか、それとも学生アルバイト?せっかく菅野ヘッケルがいい仕事しているのに残念。まあ私はこの一枚だけなので、被害は少ないけど、全部買った人はお気の毒。


ところで『激しい雨』は、私のボブ・ディラン・アルバム・ランキングでは、堂々4位のアルバムだ。ちなみに以前選んだ私のベスト5は、次のとおり。

<私の選ぶボブ・ディランのアルバム極私的5選>

第1位 『ブラッド・オン・ザ・トラックス(血の轍)』
第2位 『プラネット・ウェイヴズ』
第3位 『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』
第4位 『ハード・レイン(激しい雨)』
第5位 『ボブ・ディラン』
<次点> 『ボブ・ディランズ・グレーテスト・ヒッツ Vol.Ⅱ』
<次点の次点>『ニュー・モーニング(新しい夜明け)』

ディランのアルバムとしては、わりとマイナー評価のものが並ぶので、あえて「極私的」とつけた次第。

ついでに、このときのランキングに添えたコメントも再録しておく。

第4位 『ハード・レイン(激しい雨)』

1975年から76年にかけて行われた米国ツアー<ローリング・サンダー・レヴュー>のライヴ録音。このツアーの録音は、その後<ブートレッグ・シリーズVol.>として、拡大版が出たために先発のこの『ハード・レイン』の方は、存在価値が薄いと思われあまり顧みられなくなってしまったようだ。

<ローリング・サンダー・レヴュー>は、ディランを中心にたくさんの出演者が入れ替わり立ち代り出てくるというトータルで4時間にも及ぶショウだったという。だからこのアルバムに、そのショウのダイジェストを求めるのはそもそも無理がある。これは独自のアルバムとして聴くべきだ。
すなわちこれは1970年代のディラン充実期のエレクトリック・サウンドがコンパクトに聴けるという意味で意義のあるアルバムなのだ。ラフでかつワイルドな勢いのある歌と演奏が詰まっている。

古い曲、たとえば「ワン・トゥー・メニー・モーニング」や「アイ・スリュウ・イット・オール・アウェイ」などが印象深い名曲としてよみがえっている。また、近作の「オー・シスター」は『ディザイア(欲望)』のオリジナル・テイクよりもずっとよい。


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