2013年9月4日水曜日

「至高」のナポリタンのレシピ


ネット上で見つけたナポリタンを美味しくするための数々の知恵。それらを総結集したのがこの「至高」のナポリタンのレシピだ。
このレシピに至る経緯を<前説>として書いておいたが、能書きはいいから早く作って食べたいという方は、スキップして後半のレシピへ直行して下さい。


<前説① これは「懐かしい味」のナポリタンではない>

この頃の私の昼食はずっとナポリタン。マイ・ブームなのだ。
私は炒めスパゲッティが食べたくて極太のスパゲッティを通販で取り寄せている。スーパーではなかなか手に入りにくい太さ2.2ミリのもの。これを業務用の4キロ袋で注文している。これで作るナポリタンはとても美味しい。

ナポリタンと言えば、茹でたスパゲッティを具材と一緒にケチャップで炒めるというシンプルこの上ない料理のはず。ところがためしにネットでレシピを調べてみたら、世間の人はこの料理に驚くほどさまざまな工夫を加えているのだった。いろんなものを隠し味として入れいぇみたり、あるいはひと手間よけいにかけてみたり…。シンプルな料理だからこそとも言えるのかも。
たとえば隠し味としては、砂糖、ガムシロップ、牛乳、コンソメ、ウスター・ソース、バター、さらにカレー粉なんてのもある。ひと手間としては、麺をうどんのように柔らかく茹でるとか、反対に固めに茹でて炒めるとき蒸し焼きのようにするとか…など。

しかしよく見ると、これらの工夫は、目指している方向が大きく二つに分かれていることに気がついた。すなわち、「喫茶店で食べた懐かしい昭和の味のナポリタン」を目指している工夫と、そうではなくて「今の時点で本当に美味しいナポリタン」を目指している工夫とだ。

砂糖やガムシロップを入れるとか、あえてケチャップだけで味をつけるとか、さらにはバターの代わりになるべく安っぽいマーガリンを使ってみるなんていうのは、どれも「懐かしい味」の再現のための工夫だろう。麺を柔らかく茹でるというのも同じ。
喫茶店のナポリタンというのは要するに略式料理だ。狭い厨房で作れて、しかもケチャップで味付けするだけだから手間もかからない。そんな事情で広く普及した安直な料理だ。懐かしい味ではあるかもしれないが、そんなに美味しいはずもない。
美味しいと言う人も多いけれど、それはつまりケチャップが美味しいということじゃないのか。ちょうどマヨラーと呼ばれる人たちが、ご飯にマヨネーズをかけて美味しいと言っているのと大差ないように私には思える。

私は断然「本当に美味しいナポリタン」を目指したい。だから、その方向を目指している工夫を参考にしてみようと思った。
そこで思いついたのは、美味しいナポリタンのための数々の工夫を総結集したなら、最高に美味しい、すなわち「至高」のナポリタンが出来上がるのではないかということだ。


<前説② 「至高」への道>

ただしいくつか検討しなければならない点はある。

・まずバター。最後に仕上げに入れるという人が多いが、中には具を炒めるのに最初から使うという人もいた。いつ入れるか。まあこれは香りを生かすという点で、やはり仕上げに入れるべきでしょう。

・それから各種のソース(と名のつくもの)。ウスター・ソースを入れるという人が多いのだが、その他、中農ソース、オイスター・ソース、デミグラス・ソース、ミート・ソースなど。中には缶詰のホール・トマト(もうこれはソースではない)を入れるという人もいた。まさに何でもあり、という感じ。
私としては、コクの点でオイスター・ソースを選択することにする。

・それから仕上げに入れるという牛乳。これは「懐かしい味」の方向を目指しているのかもしれないが、確かに試してみたらマイルドでコクも出て美味しくなる。スキムミルクを入れている人もいたが、私としてはこれらに代えてちょっとふんぱつして生クリームを使うことにする。何しろ「至高」だからね。

・異色の隠し味は、カレー粉。さっそく試してみた。試してみてわかったのは、これはカレー味を付けるためではないということ。スパイスがたくさんミックスされているから、味が複雑になる。こういう使い方もあるんだな、と教えてもらった。
ただし、今回は味がややこしくなり過ぎるので、使わないことにする。

・もう一つの異色の隠し味が、ピザ用の溶けるチーズ。これを仕上げに混ぜるのだ。たしかに溶けて麺に絡んでなかなか美味しい。コッテリとして濃厚な感じになる。
ただちょっとねっとりし過ぎで、麺が糸を引いている。見た目が今ひとつだし、やや食べにくい。それに仕上げに乳製品として生クリームを入れるし、食べるときには粉チーズも振るわけだから、やはり溶けるチーズはパスということに。

・そして肝心のケチャップだ。ハインツを指定している人がけっこういるのだが、私はこだわらないことにする。ハインツの方が酸味と甘さが強いけれども、カゴメでも十分に美味しい。
ところでケチャップの入れ方には二つの派がある。すなわち麺を入れる前にケチャップを先に炒めておく派と、仕上げに入れてあまり炒めない派である。
「懐かしい味」のナポリタンはケチャップだけで味付けするからケチャップを大量に入れる。すると、ベチャベチャになってしまうので、先に炒めて水分を飛ばすのがコツだと聞いたことがある。
しかし今は他にもいろいろな味を入れるので、ケチャップの量は控えめでいい。それにケチャップ本来の味を生かすには、あまり加熱しない方がいいような気もする。というわけで、ケチャップは仕上げに加えることに決定。

・砂糖は当然入れない。ためしに入れてみたらたしかに美味しいといえば美味しいけど、砂糖の味だけになってしまう。昔はこうしてケチャップの酸味を和らげたのだろう。
野菜をじっくり炒めると旨(うま)甘くなる。その甘さとケチャップの甘さで十分だ。

・それから麺の茹で方は、「懐かしい味」のナポリタンのようなやわやわにはしない。やっぱりそれなりの歯応えがあった方が美味しいから。

さてあらためて隠し味として加えるものを整理してみる。
加えるのは、ニンニク、コンソメ、オイスター・ソース、生クリームそしてバターだ。加える分量については、実際に試してみて検討してみた。
これをレシピの形にしたのが以下である。


■■ 至高のナポリタンのレシピ ■■

〔材料〕(1~2人前)

スパゲッティ 250g
*2.2ミリのものが絶対にお勧めだ。デュラムセモリナに加えて強力粉が配合されており、モチモチ感がある。ナポリタンのような炒めスパゲッティには最適だ。
スーパーでは手に入りにくいので、私は通販で取り寄せている。

[具材]

・ベーコン 100グラムくらい(好きなだけ)
*肉分は他にソーセージやハムなど何でもよいが、「至高」というからには、やはり厚切りのベーコンだろう

・ニンニク 1片

・野菜  合計約300グラム
*この内タマネギが100グラムくらい入っていれば、あとは何でも良い。定番のピーマン、ニンジン、キノコ、キャベツなどの他、変わったところではナス、キュウリ、ゴーヤ、モロヘイヤなどそのときにあるものを私は入れている。とても美味しい。

[調味料等]

・サラダ・オイル  大さじ1
・塩・コショウ  適宜
・コンソメ  2~3グラム
・オイスター・ソース  適宜
・生クリーム  適宜
・バター  適宜
・ケチャップ  50グラム

〔作り方〕

1 ニンニクは千切りまたはみじん切り、その他の具材はそれぞれ適当な大きさに切っておく。

2 お湯を沸かして麺を茹でる
*茹でるお湯は麺の10倍と言われている。なので、ここでは、2500ccのお湯で茹でる。
*茹で時間は2.2ミリの麺の場合、麺を入れて再沸騰してから13分。製品によってはもっと長い時間を指定してあるものもあるが、経験によるとそれらも13分で十分だ。

3 麺を茹で始めると同時に、フライパンを温める。
温まったら、サラダ・オイル大さじ1を入れて具材を炒め始める。麺が茹で上がるまで並行して約10分間、弱火でじっくり炒め続ける。 
*火が通りやすいものは、途中から入れるが全体的になるべく長めに炒めるようにする。
*長く炒めていると素材の歯応えは失われるが、旨みが出て、その旨さが麺と絡んで一体となる。

4 茹で上がりの時間が近づいたら、具材に塩、コショウ、コンソメ、オイスター・ソースを加える。麺の分の味もここでつけてしまう。

5 茹で上がった麺をザルに取り、具材を炒めているフライパンに投入。具材とよく混ぜ合わせながら2~3分炒める。
仕上げにケチャップ、バター、生クリームを加えて和える。
最後に味を確認して必要があれば調整して出来上がり。

お皿に盛って粉チーズ、タバスコをたっぷりかけていただく。たしかにこれは「至高」の味だ。美味しいよ。


〔関連記事〕

0 件のコメント:

コメントを投稿