2015年8月31日月曜日

だし汁茶漬けの世界


■だし汁茶漬けが美味しい

とくにお茶漬けが好きというわけではない。
でもどういうわけか、ときどき無性に食べたくなる時がある。あなたもそうじゃないですか。
それで、スーパーでたまに永谷園のお茶漬けが安売りされているのを見かけると、つい買い込んでしまうのだ。でも、それがなかなか減らない。そんなにひんぱんに食べたくなるわけでもないからだ。

やっぱり美味しいのはインスタントのお茶漬けだ。本式のお茶漬けを作ってみたこともある。ご飯に梅干しとか塩鮭をほぐしたのをのせて、その上から熱いお茶をかけた。けれども、さっぱり美味しいと思わない。全体としての味が薄くて物足りない感じ。
ただし、お店で食べるお茶漬は美味しい。ひつまぶしの最後のお茶漬けとか、天ぷら屋さんで食べた天ぷら茶漬けとか、飲み会のしめに出てくるお茶漬けなんかだ。あんなお茶漬けなら自分で作って食べたいなあと思っていた。

思い立ってちょっと調べてみたら、そういう外で食べていたお茶漬けは、ジャンル的には「だし汁茶漬け」というらしい。お茶漬けとは呼んでいるけれど、お茶ではなく、だし汁をご飯にかけたものなのだ。そういうことか。
さっそく自分でいろいろ試してみたら、ちゃんと美味しいお茶漬けができたのだった。ネットで紹介されているレシピでは、たいていしょう油が加えられているけれども、私は入れない。だしと塩のみのシンプルなもの。これが、永谷園よりも美味しい。シンプルな方が、薬味やトッピングの美味しさが引き立ち、奥深い味の世界が広がるのだ。

□お茶漬けのだし汁のレシピ
2杯分)
〔材料〕
  ・水 150cc
  ・本だし 小さじ1/2
  ・塩 ひとつまみ(2グラム)
〔作り方〕
水に本だしと塩を加えて、煮立たせれば出来上がり。

このだし汁を、大きめの茶わんに盛ったご飯にかければよい。

■お茶漬けの薬味とトッピング

ここで楽しいのが、これに添える薬味やトッピングの工夫。
あまりおおげさな具はいらない。ちょっとしたものでよい、というかかえってその方がよいのだ。たとえば、私の好きなのは次のようなもの。

□だし汁茶漬けが美味しくなる薬味&トッピング10種
・山葵…チューブが手軽。溶けやすくてgood
・生姜…これもチューブでOK
・胡麻…見た目的には白胡麻か
・刻みネギ…ほんのちょっとで十分刺激的
・鰹ぶし…安い粉っぽいものの方がかえってよい
・梅干し…これはやっぱり高いものが美味しい
・海苔…揉んで散らす。どうせ溶けるので刻む必要なし
・天かす…油分でコクがでる。イカ風味の「天華」がオススメ
・塩昆布…深いうま味が広がる
・干し海老…安いオキアミでもご馳走になる

この他に、まだ試していないが、いずれ食べてみたいと思っているのが、次のようなもの。いかにも美味しそうでしょ。
・三つ葉
・しらす
・じゃこ
・とろろ昆布
・焼きたらこ

■不味い(または不味そうな)お茶漬け

試してみたけれど美味しくなかったものもある。
北大路魯山人が「意想外に美味いもの」と書いていることで有名なのが納豆のお茶漬け。大先生はそうおっしゃるが、これはやっぱり美味しくなかった。納豆はそのまま食べるにかぎる。

また贅沢なお茶漬けと言えば、お刺身の茶漬け。鯛とかまぐろとか。これも美味しくなさそう。
その他、漬物、佃煮、塩から、明太子などもあんまり私の食欲をそそらない。こういうものは、せっかくの本来の美味しさが、だし汁やお茶で、洗い流されてしまうのがいやなのだ。やっぱり温かいご飯にのせてそのまま食べたい。

それからよく紹介されているのが焼きおにぎりのお茶漬け。お店でもときどき見かける。
これも試しに作ってみた。
焼きおにぎりは、すごく手間がかかる。握ったご飯を、フライパンやオーブントースターでひっくり返しながら焼く。最後にしょう油をつけてちょっと焦がす。これをお茶碗に置いて、だし汁をかけて出来上がり。見た目はとても気が利いていて、ちょっと豪華な感じもある。これをほぐしながら食べるわけだ(せっかくまとめたのにね)。 
食べてみると、たしかに香ばしさはあるが、それほどの味でもない。とてもかかった手間には見合わない。やっぱり、焼きおにぎりは、アツアツをそのまま食べるにかぎると思った。
そしてお茶漬は、シンプルにかぎる。


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